バキバキ整体はなぜ危険なのか
例えば!家の網戸がレールから外れていた場合を想像してみてください。
そのままグイグイと押し込んでレールに戻すのと、一旦持ち上げてレールに戻すのどちらがレールを傷つけずに済むと思いますか?
答えは間違いなく一度持ち上げて正しい位置にゆっくりと戻した方がレールは傷つきません。
ただバキバキする整体に関しては、この状態と同じで
可動域の検査などを行い、こっち可動域悪いなぁ。となったら
「ちょっと楽にしてねぇ」って言って【バキゴキッ】と、まさに同じことをしているのです。
1、本来の関節は(潤滑)している
本来の関節は滑液という(油)が存在します。
その油は、関節に圧力がかかることで潤滑します。
潤滑した関節で関節を動きやすくして整えていくべきなのですが、バキバキ整体は当然その潤滑のことを一切無視しています。
油が効いてない状態で、それだけ激しい動きをしてしまうと、そこの部分に摩擦が発生し、炎症が起こったり、関節面が削れてきてしまいます。
なんで、その時はスルスルスルスル可動域が上がってる気がすると思いますが、継続することで関節がバカになります。
バカになったネジ穴を元に戻すことができないここと同じで、関節も一度バカになると回復しません。
2、続けて受けると変形するリスクがある
関節面が削れてしまう時はそこに摩擦が起こります。そして人間の体はタンパク質でできています。そのタンパク質は熱が起こると形が変わります。お肉や卵も加熱によって硬くなり形が変わることと同じです。バキバキ整体を受け続けると関節の骨が太くなってきてしまいます
3、厚生労働省も警告しています
【厚生労働省 カイロ】などで検索すると出てきますが、以下厚生省ホームページから抜粋
(1) 禁忌対象疾患の認識
カイロプラクティック療法の対象とすることが適当でない疾患としては、一般には腫瘍性、出血性、感染性疾患、リュウマチ、筋萎縮性疾患、心疾患等とされているが、このほか徒手調整の手技によって症状を悪化しうる頻度の高い疾患、例えば、椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、環軸椎亜脱臼、不安定脊椎、側彎症、二分脊椎症、脊椎すべり症などと明確な診断がなされているものについては、カイロプラクティック療法の対象とすることは適当ではないこと。
(2) 一部の危険な手技の禁止
カイロプラクティック療法の手技には様々なものがあり、中には危険な手技が含まれているが、とりわけ頚椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法は、患者の身体に損傷を加える危険が大きいため、こうした危険の高い行為は禁止する必要があること。
(3) 適切な医療受療の遅延防止
長期間あるいは頻回のカイロプラクティック療法による施術によっても症状が増悪する場合はもとより、腰痛等の症状が軽減、消失しない場合には、滞在的に器質的疾患を有している可能性があるので、施術を中止して速やかに医療機関において精査を受けること。
4、もっと安全な治療はたくさんあります
バキバキ整体や、カイロプラクティックを受けてよくなった方もたくさんいると思いますし、ビジネスにしている方も多いことは理解しています。
しかし、体に負担をかけるのではなく、正しく関節を潤滑させ、筋肉が正しく働き、しっかりと歩行やトレーニングをすることで安全に改善していくことも可能です。
今一度治療家も患者様も正しい知識と施術で一人でも多くの患者様を救えるようにして行かなくては健康寿命を伸ばすことはできません。
最後までご覧いただきありがとうございました!